三と四 大龜 孝嗣さん

素材が持つ魅力を
活かす

木と人をつなげる木工作家

木との出会い

大阪府池田市を拠点に木工作家として「三と四」という屋号の元活動されてる大龜さん。幼少期は山の中で育ち、木が大好きで「ツリーハウスで仕事がしたい!」という夢を持っていました。そこから木に関わる仕事に憧れ、大学卒業後は建築関係の仕事に努めましたが、心機一転、コロナ禍もきっかけとなり、幼い頃から憧れていた木に触れる木工作家として本格的に活動を始めました。現在は木材本来の良さを引き出すデザインを特徴とし、スツールやテーブルなどの家具を始め、古道具など、使用されなくなった廃棄してしまうような木材を、リメイクするなど、今の時代の生活に合わせた木材の利用方法を日々考え、提案しています。

素材の歴史から価値が生まれる

過去には、おばあさまが使用していた古民家を取り壊し、新たに美容院を作られるというお孫さんからのご依頼で、古民家で使用していた柱などの木材を使用し、美容院で使用する家具を作られたこともあります。完成品には柱の梁や木の質感がそのまま残っており、古民家で暮らしていたおばあさまの歴史を木材を通して感じるようになっています。全てのモノには歴史があり、木も同じです。木が芽を出し、何十年、何百年と成長し、伐採され、製材として加工された後、人々の生活の一部として家具や建築資材などとしてまた、何十年も使用されていきます。このような歴史が素材の良さとなり、後世に受け継がれていきます。しかし、時代の変化と共に現代では使うには難しい製品も出てきます、そのような木工製品を、使う人を思い、どのように使ってもらえるかを考え、新しい価値を生み出すのも大龜さんが行なっている木工作家としての役目です。

人と木をつなげる

拠点とする池田市は植木屋さんの町として有名なため、木の伐採なども日常的に行われています。木工を始めた当初は様々な場所から木材を購入していましたが、まちを見渡すと、伐採されチップになる木や、引き取り手がなく処分される木、処分するにも費用がかかり使い道に困っている木など、木材や木を扱う人が持っている問題点が多くありました。そこで、まちの人々との繋がりから木材をいただき、木の魅力を最大限に引き出す木工作家として現在の形が生まれていきました。今後は木工作家としてまちの木を使用した木工製品をつくり、その製品をまちの人が利用する、そしてまちが活性化し、新たに池田に足を運んでくれる人が増えれば木と人との循環が生まれ、より良いまちとして更に良い場所として進んでいくのではないか、という想いを持ち、また、将来池田のようなまちが、さまざまな場所に生まれてくれてくれたら嬉しいと仰っていました、そのためにはまずは地元に木工を通して還元していきたい、このような目標を持ち木工作家として活動されています。


三と四

大龜 孝嗣さん

大阪府池田市を拠点とし、「三と四」という屋号の元、木材の魅力を最大限に活かしたデザインを特徴とし、スツールを中心にテーブルなどの家具製品を制作されている。人との繋がりを大切に木工作家をされており、ツリーハウスを作るのが夢。